制御で機械はどう変わる?
- クルマの走行を制御でサポート。
クルマのハンドルを右に切れば右に曲がる。当たり前のことですが、それはハンドルの動きに合わせて、棒状のシャフトでつながった左右のタイヤが同じように動くからです。では、もしこのシャフトがなかったら?動きがバラバラになってしまいとても危険な状態になってしまうことでしょう。でもいまは、飛行機の操縦もコンピュータで制御されており、すべての機構が機械でつながっていなければいけないという時代ではありません。そこで私の研究室では、車両の走行制御システムの研究の一環として、センサやモータ、コンピュータを使い、シャフトがない状態でも2つの車輪が同じように動く装置をつくって、実験・検証を繰り返しています。 - 思い通りに機械を動かしたい。
シャフトに代えてモータで操舵を制御できるようになれば、シャフト自体が必要なくなります。すると、設計の自由度が広がりますし、カーブ等の走行安定性向上などプラスαの機能を追加することができるようになります。ただ、実験では機械がたわんだりねじれたりすることによる振動が起こったり、振動でセンサが誤検知したりと、問題が発生することも。でもそういった個々の課題を一つ一つ解決していくところにやりがいがあるのです。だからこそ、制御のアイデア通りに乗り物が動いたときには感動しますね。“機械を思い通りに操るために、いろいろな実験を通して確かめる”。これが私の研究におけるモットーです。
PROFILE
前川 明寛 先生
50歳まで、企業に勤めていた前川先生。「長年、耐震の振動試験装置などの大型機械の精密運動制御に関する技術開発を行ってきました。そこで培った技術を若い人へ広く伝えていきたいと思い研究者になりました」。
前川 明寛 先生
50歳まで、企業に勤めていた前川先生。「長年、耐震の振動試験装置などの大型機械の精密運動制御に関する技術開発を行ってきました。そこで培った技術を若い人へ広く伝えていきたいと思い研究者になりました」。