授業の知識をクラブ活動に、その経験を研究に活かす。

大学で学ぶ知識を使いこなして自分のものにしたいと考え、クラブ活動はエコノパワークラブを選びました。私の所属チームは毎年、ガソリン1リットルで走行距離を競う省エネカーレースに出場しています。クルマの内部を見るのも、軽量化のため工作機械を使って部品を削る経験も初めてでしたが、自分たちで組み上げたクルマが動く様子に感動。3年次には全国大会優勝も経験しました。工作機械を扱うスキルは、卒業研究の装置製作にも役立っています。


鉄道車両用空力ブレーキ装置の研究

新幹線などの高速鉄道は、新型車両が開発されるたび最高速度を更新しています。しかし直下型地震が起きた場合、初期微動を検知して送電を遮断する現在の非常ブレーキでは、減速が間に合わない可能性があります。私が研究しているのは、通常のブレーキに加え空力、つまり速度の2乗に比例する空気抵抗を非常ブレーキに利用する方法です。機構としては、レーシングカーに発想を得たウィング型の抵抗板を、各車両に設置する方式を考えています。進行方向に対して抵抗板をどれだけの傾きにするのが最も効果的かを、1/6スケールの模型を製作し、風洞実験を行って検証。抵抗板に働くダウンフォースと後ろ向きの抗力をセンサで測定するほか、煙を使って気流を可視化した動画も撮影しました。どこにどれだけ力が加わっているかを明らかにするこの研究を通じて、既存の車両の形状が流体力学的にどれほど重要な意味を持つかを、改めて認識しています。



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