より速く、より安全な
高速鉄道を開発するには?
  • 「流体力学」や「空気力学」による分析を使って、さまざまな課題を検討していくことが重要です。
  • 振動や騒音問題、緊急停止ブレーキ。鉄道をさらに高速化するためには、課題がいっぱい。
    1964年、世界初の高速鉄道といわれる東海道新幹線が開業。現在では日本はもちろん、世界中で高速鉄道が運行し、交通機関として重要な役割を担っています。現在、列車の最高速度は300km/h以上になっており、さらなる高速化に向けて技術開発が日々続けられています。高速化が進むたびに話題となるのが、走行時の振動や騒音問題。そして、「強風時に転倒しないか」や「地震などが発生した際の緊急停止ブレーキをどうするか」など、安全面での課題です。このように鉄道を高速化するには、車両自体を高速に走行させることだけでなく、それに付随するさまざまな課題をクリアしていかなければいけないのです。
  • 「流体力学」や「空気力学」を利用して、さまざまな条件下での空気の流れを考察。
    鉄道には、細長い車体であることや、トンネル内を走行することがあることなど、飛行機や自動車などの他の交通手段とは違う特徴があります。研究室では、このような特徴にも着目しながら、高速鉄道のためのさまざまな課題を、実験や数値シミュレーションによる手法を用いて研究しています。ここで必要になってくるのが「流体力学」や「空気力学」。たとえば「トンネルに突入した際、気流の流れはどうなっているか」や「竜巻の中に走行中の鉄道車両がつっこんだ場合、どのような力がかかるのか」など、さまざまな条件下で空気の流れがどうなっているのかを考察していきます。
PROFILE
鈴木 昌弘 先生
学生時代、機械工学を専攻した後、「鉄道総合技術研究所」で列車のゆれや騒音問題の解決をめざしていました。以来現在でも学生といっしょに、高速鉄道の空力ブレーキの研究開発実験をするなど、ずっと鉄道をテーマに研究を続けています。